パチンコ屋で逆ナンパされたら援交でした

パンチコ屋の画像

よく「パチンコ屋ですかんぴんになった女子が、援交で損した金を取りかえしている」というような話を耳にしますよね。

私も仕事がひまな日は、職場の近くのパチンコ屋で時間をつぶしています。でも、そこで女子から援交の誘いを受けたことなど一度もありません。

やはり、あの噂はよくある都市伝説なんだ、思っていました。

ところが先週のことです。思いがけないことが起こりました。

私の隣で玉を弾いていた30才くらいの女子から、こう耳打ちされたのです。

「すみません。必ずお返しするので、5千円だけ貸してもらえませんか」

彼女はそのパチンコ屋でときおり見かける女子でした。服装からいって、おそらく近所に住んでいる主婦に間違いありません。

彼女はきっと相当パチンコで散財してしまったのでしょう。表情は気の毒なくらい追い詰められていました。

私はこの後、どう展開するのか、という興味もあって、彼女に金を貸しました。

ところが五千円分の玉は、あっという間に上皿から消えてゆき、結局私はその日、一万五千円ほど、彼女に貸すことになりました。一方、私は連続してフィバーして、二万円ほどの金を手にすることになりました。まったく世の中は不条理です。

「もしよかったら、食事でもしませんか?」

私は玉を換金したあと、うなだれた彼女にいいました。



彼女は明らかにパチンコ依存症に陥っていました。

「もう、パチンコにつぎこむお金なんかないのに、どうしてもパチンコをやめられないんです」

「もしかして、消費者金融にも手をだしてる?」

彼女は私の質問には答えず、念押ししました。

「今日借りたお金は明日、必ずお返ししますから」

「だから、サラ金から借りるつもりなんでしょ?」

「……」

「今日、私はずいぶん買ったし、今日の分はチャラにしようよ」

「あのう……」

「なに?」

「よかったらこれからラブホいきませんか?」

「……」

「借りを作りたくないんです。お借りした分は、私の身体でお返しします」

じつは私はこういうやり方はあまり気が進みませんでした。かといってこの誘いを断れるほど倫理的な人間でもありませんでした。

 

結果的に、とても後味の悪いセックスになりました。

追い詰められている彼女は、セックスを楽しむような余裕などなかったのです。

セックスの後には、どことなくすさんだ空気だけが残りました。

「これ……」

と、私は彼女に一万円を差しだしました。

「でも……」

「お釣りだよ。君の身体はそこまで安くないだろ」

彼女は涙を一粒こぼして、その一万円を受け取りました。

でも、この金もおそらく明日、パチンコ台に消えてしまうのでしょう。

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